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村の電信柱にはすこし眩しすぎるくらいの街灯がついていて、夜になると燦々と灯るその光をめざして、たくさんの夏の虫たちが集まってくる。黄金虫やちょっと大きめの蝿やちいさなトンボたちや名もない虫たちだ。それを夏の間、まいにち飽きもせずに眺めている少年がいた。ぼくもそういうのを見るのが嫌いではなかったので、時々その少年といっしょに街灯に集まる虫たちを眺めていた。

あるとき、黒い物体が光に向かって突進してきて、街灯にぶつかり、ぽとっと地面に落ちた。少年はすかさずその黒い物体を拾いあげると、持っていた紙袋に入れて走って家に帰っていった。ぼくはわけも分からずにその少年を追っかけて家までいっしょに付いていった。少年は紙袋から拾ったそれをすくい出すと、プラスチックの虫かごの中に無造作にほうり込んだ。虫かごの中にはたくさんのクワガタが入っていて、少年はそれをぼくに誇らしげに見せるのだ。

なるほど、少年は毎日々々電信柱の下でクワガタ狩りをしていたのである。
 

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おにいちゃんの方が幼稚園児くらいの頃だったと思う。部屋中をやんちゃに駆けまわるおにいちゃんの後を、まだよちよち歩きのいもうとが必死に追いかけていた。そんな我が子のようすを姉は幸せそうに見ていた。

高校を中退したいもうとははたちになり、もう一度やりなおしたいと、専門学校に行くためにおにいちゃんを頼って今年上京したばかりだった。

急な知らせを受けて駆けつけたお父さんは、丸一日たってようやく娘に会うことができた。業者によって化粧を施されたその顔を見て、きれいだったよ、と顔をくずして笑っていた。おにいちゃんも気丈に笑っていた。

 

立秋を過ぎたら急に秋の匂いがしてきた。
昼はあいかわらず蒸し暑いが、明け方から朝にかけては少し肌寒いくらいだ。夏の象徴である入道雲も微妙に形をかえて、その圧倒的な存在感はややひかえぎみに初秋の陽射しを受けている。

少年の頃、夏は永遠に続くものだと思っていた。

少年たちの朝は「えいそ起きた」で始まる。
ラジオ体操は6時半からなのだが、その1時間ほど前に何人かの少年と少女たちの 「エイソ!オキタ!」という叫び声がぼくの玄関先に聞こえる。ぼくはその声に目をさまし電気をつける。するとそれが合図かのように掛け声がピタリと止む。まだ薄暗い外に出ていくと、みんなも一様にまだ寝ぼけ眼なのだ。互いにあいさつもろくにせず、次の家を目指してぼくたちは整列を組み、「エイソ!オキタ!」と大声を張り上げながら駆け足で走っていく。まだ明けきらない夏の朝に少年たちの「エイソ!オキタ!」の叫び声が響きわたる。そして次々に少年と少女をたたき起こしながら、ひとつの集団となり、整列を組み、声を張りあげながら駆けてゆく。やがて最後にたどり着くのが、いつもラジオ体操をしている小学校の校庭だ。

「エイソ」がなんのことか誰もわからないまま、いつの間にか夏休みの恒例となっていた「エイソオキタ」を、ぼくたちは夏のあいだ永遠に繰り返す。

そうやって少年の一日は始まり、そうやって少年の終わらない夏が始まる
 

オリンピックはアスリートたちの熱い闘いにただ単純に感動したいだけだ。勝ち負けやメダルはあとから結果としてついてくるものにすぎないと思う。

中国や韓国は国策でメダル量産のために莫大な資金を投入しているという。
選手が次の対戦相手対策といってわざと手を抜いた試合をした。
なんかおかしくないですか?ぼくたちはただ感動したいだけなのに。

水泳の北島康介が三連覇を期待されていたがメダルにさえ手が届かなかったが、その闘う姿勢が感動的だった。試合後のインタビューで 「自分との闘いでした、これが今の自分の精一杯の力なので満足しています」 と、さわやかな顔で言っていた。もし彼が 「悔しいです、ぼくの力不足で皆様にもうしわけないです」 と涙目で言っていたならば、ぼくはたぶん興ざめしていただろう。限界まで挑戦し努力するからぼくたちはその姿に感動し、だから負けても本人は満足しあんな爽やかな顔になるのだ。

スポーツは国や他人のためにやるものではなく自分自身のためにやるものだから。

創造  2001.04.02


4月2日 16時02分
異次元の宇宙で ビックバンが起きた

費やした時間と 纏わりついたしがらみと

吐き出した詩と 培った家族たちと

そのすべてを爆発させた


そして そこから 新たな生命が誕生する

そこから 小宇宙ができる






誕生  2001.04.06


4月5日 18時28分
爆発した宇宙の破片から
ひとつの星が誕生した
すべてが無になった後
残ったひとかけらの細胞の中には
たくさんの優しさと たくさんの血が交じり

そして無重力の宙のなかで さまよいながら
それでもお互いに 引き寄せられて
お互いが重なり合って

ひとつの星が誕生した


やがて翼も大きくなって

宇宙になるだろう






 金網にしっかりとしがみつき
 朝のわずかな光をあびて
 高架下にひっそりと開く君は
 気高く強く美しく

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