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立秋を過ぎたら急に秋の匂いがしてきた。
昼はあいかわらず蒸し暑いが、明け方から朝にかけては少し肌寒いくらいだ。夏の象徴である入道雲も微妙に形をかえて、その圧倒的な存在感はややひかえぎみに初秋の陽射しを受けている。

少年の頃、夏は永遠に続くものだと思っていた。

少年たちの朝は「えいそ起きた」で始まる。
ラジオ体操は6時半からなのだが、その1時間ほど前に何人かの少年と少女たちの 「エイソ!オキタ!」という叫び声がぼくの玄関先に聞こえる。ぼくはその声に目をさまし電気をつける。するとそれが合図かのように掛け声がピタリと止む。まだ薄暗い外に出ていくと、みんなも一様にまだ寝ぼけ眼なのだ。互いにあいさつもろくにせず、次の家を目指してぼくたちは整列を組み、「エイソ!オキタ!」と大声を張り上げながら駆け足で走っていく。まだ明けきらない夏の朝に少年たちの「エイソ!オキタ!」の叫び声が響きわたる。そして次々に少年と少女をたたき起こしながら、ひとつの集団となり、整列を組み、声を張りあげながら駆けてゆく。やがて最後にたどり着くのが、いつもラジオ体操をしている小学校の校庭だ。

「エイソ」がなんのことか誰もわからないまま、いつの間にか夏休みの恒例となっていた「エイソオキタ」を、ぼくたちは夏のあいだ永遠に繰り返す。

そうやって少年の一日は始まり、そうやって少年の終わらない夏が始まる
 

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