昨日は兄と一緒に、母を連れて2ヶ月に一回の病院へ行ってきた。
この病院、かつて父が入院していた思い出深い病院だ。
母はもうすっかり慣れた様子で、「トイレ行ってくる」と、車を降りたらすぐに、すたこらさっさと病院の中へ。兄とぼくはゆっくりと後を追う。
『もの忘れ外来』というのがあることを初めて知った。
受付を終えると、すぐに呼び出しがあり、最初に「体重測定」などをして、その後に付き添って担当医との「問診」を行う。
近況や身体的なこと、困った事などないか、を担当医が丁寧に聞いてゆく。もう慣れたもんだと思っていた母は、やっぱりいつまでたっても『病院』というものには緊張するらしく、恐々と応えている。「最近イライラすることはありませんか?」「怖い夢などはみませんか?」という質問に、「いやー、そんなには・・」としか応えない。ぼくは隣で、こんなんでいいのかなあ・・、と思いながらも問診を終える。
家に帰ると台所の掃除をする。
流しを開けて、山のように積まれた使われてない食器や鍋やゴミを出す。
母が様子を見にきて手伝おうとする。「ひとりでやるから」と追い出すが、しばらくするとまたすぐにやってくる。しかたないので食器洗いを母に手伝ってもらう。よくもこれだけ放っておけるもんだと思うくらい流しの中は汚れている。母は出された食器を風呂場へ運び、「よっこいっしょ」と腰をおろし食器を洗う。
ぼくは流しの中を雑巾でふいていく。ゆっくりゆっくりふいてゆく。
鍋やどんぶりがまだかなり残っている。割れた食器で指を切った。血はすぐには出なかった。じわりじわりと赤い点がふくらむ。それが少しづつ丸くなっていき、大きく膨らむ。そして静かに筋になって流れていった。ぼくは、滴りおちる血をぼんやり見ていた。母が「はっげー!」と言いながらやってきた。ぼくの指の血を舐めて、そして、傷テープを貼ってくれた。
仕事はわりとスムーズに決まりそうだ。
順調にいけば、週明けの月曜から勤務できると思う。
東京でもやっていた『タクシー』、
でも、シマのタクシーはかなり厳しいらしい。
だれに訊いても同じことを言う。
まあどうにかなるさ。